宝立七夕キリコまつりが実...

お知らせ

宝立七夕キリコまつりが実施されました

宝立七夕キリコまつり—津波から守られた絆、希望の再出発

 

2025年8月2日、石川県珠洲市宝立町で「宝立七夕キリコまつり」が2年ぶりに開催されました。令和6年能登半島地震による津波で、6基あったキリコのうち5基が祭具とともに流され、倉庫も損壊しましたが、唯一流出を免れたキリコ1基と、子供たちのキリコを合わせた2基が勇壮に担がれました。「ヤッサーヤッサー」の威勢の良い掛け声と祭り太鼓の響きの中、地域に希望の灯が再びともりました。

 

「この町が好きだから残っている。宝立のどこが好きかって?もちろん、キリコだよ。」

と語る地元の小学生の言葉の通り、キリコは単なる装飾や山車以上の存在です。これは代々受け継がれてきた“地域の心”そのものであり、困難を乗り越えるための一体感の象徴です。震災で多くを失いながらも、住民は残されたキリコを修復し、「復旧・復興の大きなエネルギーになる。そして子供たちの声があるからこそ頑張ろう!」と実行委員会の多田さんも語るように、前を向いて歩み始めています。

 

キリコとは—地域の誇りを灯す巨大灯籠

キリコは能登地方各地の祭礼で用いられる4〜10メートル、時には15メートルを超える巨大な灯籠です。華やかな装飾と力強い担ぎ手によって夏の夜を彩り、人々の誇りとなっています。

詳しくは灯り舞う半島 能登のキリコ大解剖(ほっと石川旅ねっと)をご覧ください。

 

キリコの復活を目指して

今回の宝立七夕キリコまつり再開は、「COMPLEX」(吉川晃司氏・布袋寅泰氏)からの寄付がきっかけとなりできた「能登復興応援基金」の公募事業に申請を決めたことにより実現しました。地域の本格的な復興を見据え、伝統の「海中乱舞」再開や後継者の育成、観光振興といった取り組みを検討しながら、令和9年には「キリコ1基の本格復活」を目指した事業計画の策定が進められています。

 

この文化の灯を絶やさぬように、地域一丸となった努力が続いています。能登官民連携復興センターでは、継続的な支援と共に、キリコ復活の進捗や携わる能登の人々の声を随時ウェブサイトで発信していく予定です。